2022.06.30

【ECサイト講座①】ECサイトの種類と立ち上げまでの流れ

EC事業をこれから始めようと考えているけど、具体的にどうやって始めたらいいのだろう?

本記事ではこれからEC事業を始める方に向けて、ECサイトの種類やその特徴、ECサイトを立ち上げるまでの主な流れについてご紹介していきます。

【この記事はこんな方におすすめ】
EC事業をこれから始ようとしている方
ECカートシステムの種類と特徴が知りたい
ECサイト立ち上げまでの手順、流れが知りたい

ECサイトの種類と特徴

まずECサイトには、自社でECサイトを作る「自社EC型」と、楽天やAmazonなどのECモールに出店する「モール型EC」の2種類の立ち上げ方法があります。

それぞれの特徴やメリット・デメリットがあるので、詳しく見ていきます。

自社EC型

自社EC型の特徴として、運営側でサイトデザイン、運営方針を自由に決めることができるという点です。

自社のカラーやコンセプトなどをサイトに反映させることで、自社ブランド力を高めることができ、また、会社のブランドと=(イコール)商品で覚えてもらいやすいという大きなメリットがあります。

ただし、自社ECサイトを立上げた直後は認知度が弱い状態なので、SEO対策、宣伝や告知など集客対策が必須となります。

モール型EC

モール型ECは、楽天やAmazonといったECモールに出店する形でECサイトを立ち上げます。
ショッピングモールにテナントとして借りて立ち上げるイメージです。

メリットとしては、そもそもECモール自体にブランド力があるため、自社のブランド力に関係なく集客することができる点です。

その反面、「自社商品を覚えてもらいにくい」「出店手数料がかかる」「ECモールのルール・機能の制限がある」などのデメリットがあります。

ECカートシステムは大きく3つの種類がある

ECカートシステムとは、ECサイトで必要なネットショップの注文を処理するシステムのことを言います。

カートシステムには大きく3つの種類があり、サーバーをレンタルする「ASP型」、公開されたソースコードで構築する「オープンソース型」、個別でECサイトを構築する「パッケージ型」があります。

いずれも一長一短があるので、ここでは各カートシステムの特徴、メリットとデメリットを見ていきます。

ASP型

ASP型は、カートシステムを提供するカート会社からレンタルして使うカートシステムになります。代表的なもので、「BASE(ベイス)」や「Shopify(ショッピファイ)」、「カラーミーショップ」、「MakeShop(メイクショップ)」などがそれらにあたります。

ASP型を使うメリットとして、導入コストの安さ、構築の際の高度な知識が不要(凝ったカスタマイズをする場合は必要)、システム更新もカート会社が随時行ってくれるためセキュリティに安心感があることがあげられます。

ECサイトを初めて立ち上げる事業者様に最もおすすめしたいカートステムですね。

しかし、使える機能やサイトのカスタマイズ方法はカート業者のカートシステムに依存するため、自由度はやや低くなります。

近年の個人情報の漏洩問題から、ASPを使ったECサイト構築が現在の主流になりつつあります。

オープンソース型

オープンソース型は、無償で公開されたソースコードをもとにECサイトを構築する方法になります。代表的なもので「EC-CUBE(イーシーキューブ)」、世界的に有名な「WordPress(ワードプレス)」でもカートシステムを組むことができます。

メリットとして、カートシステムを無料で導入することができること、カスタマイズの自由度が高いためより自分好みにサイトを作り上げることが可能です。

その反面、カートシステム導入、カスタマイズに専門的な知識が必要となるため、初心者にはハードルの高い構築方法になります。また、サイトシステムの更新管理も自分たちで行う必要があるため、セキュリティリスクを生みやすいデメリットがあります。

オープンソース型でECサイトを立ち上げる際は、高度なセキュリティ対策に精通した業者にお願いすることが望ましいです。

パッケージ型

パッケージ型は、カートシステム提供業者が一からECサイトを作り上げる方法になります。いわゆるスクラッチ開発と呼ばれるゼロから作る方法ですね。

構築にはより高度な知識が必要となりますが、複雑な機能や要件にも対応できるので、自由度は他のカートシステムよりも高いです。

しかし、サイト構築を一から開発するため、工数が非常にかかる(半年~1年以上の場合も)のと、導入コストが高額になるといったデメリットがあります。

パッケージ型は主に、大手企業向けの構築方法と認識しておけばいいかもしれません。

代表的なサイトとして、「ZOZO」や「ユニクロ」のサイトはスクラッチ開発されたECサイトになります。

自社ECサイトの立ち上げまでの全手順と流れ

モール型に関しては各モールの出店方法に沿って、準備を進めていけば問題ありませんので、ここでは自社でECサイトを立ち上げる手順、流れをご紹介します。

主な工程の流れは以下のように進みます。

①コンセプト決定
②カートシステムの選定
③サイトマップの作成
④トップページの構成とデザイン
⑤商品カテゴリーの構成と作成
⑥サイト制作
⑦商品登録・その他設定
⑧テスト注文・最終チェック
⑨サイトオープン

一つ一つ見ていきましょう。

コンセプト決定

まず最初に立ち上げるECサイトのコンセプトを決めていきます。

具体的には、
・なんのためにサイトを作るのか(目的)
・どんなサイトにしたいのか(意義)
・誰のためにサイトを作るのか(ターゲット)

それらを明確にすることで、これからECサイトを進めていくうえでの軸となり、根幹となります。

途中で方向性がブレないためにも、また一貫したブランディングを行うためにも必要な作業なので、必ずコンセプトを決めてから制作に入るようにしましょう。

コンセプト決めにおすすめな方法として「5W1H」という考え方があります。

「5W1H」とは、「What」「Why」「Who」「When」「Where」「How」から構成する6つの考え方を合わせたものです。

「What」何を=目的
「Why」なぜ=意義
「Who」誰が
「When」いつ
「Where」どこで
「How」どうやって

デザイン、ビジネスシーンなどでよく使われる考え方なので、コンセプト決めに迷われた方は「5W1H」にそって考えてみると上手くまとまりやすいです。

カートシステムの選定

コンセプトが決まりサイトの方向性がはっきりとしたら、次はカートシステムを選定していきましょう。

ポイントは決めたコンセプトを実現できるカートシステムを選ぶことです。

上記「ECカートシステムは大きく3つの種類がある」で説明したように、カートシステムによっては、できること、できないこと、機能の特徴や特性があります。それらを加味した上で、自社のコンセプトに合う最適なカートシステムを選んでいくことが大事です。

導入してから実現できないとなると、それまでかけた時間も労力も無駄になりかねません。。

サイト構築を専門業者にお願いする場合は、しっかりとやりたいことを伝えましょう。自社で構築する場合は、各カートシステムを入念に調べた上で導入を検討することをおすすめします。

サイトマップの作成

導入するカートシステムが決まったら、サイト全体像を可視化していきます。

具体的には、自社の決めたコンセプトをもとに必要なページやコンテンツ(内容)を考え、書き出します。商品を購入してもらうにはどのような情報を発信するべきか、またターゲットとするお客様がどのような情報を求めているか、自社ECサイトに載せる優先順位の高いページは何かを考えていきます。

ざっくり案がでたら一度サイトマップを作成し、全体を眺めてみましょう。

※サイトマップとはツリー上になったサイト情報を階層わけし分かりやすく設計したもの。

サイトマップを作りこむことで、トップページからの導線の張りかた、必要な下層ページの数も把握できるのでおすすめです。

サイト構造を考えるコツとしては、サービス利用者の視点に立って考えることが大事です。

お客様がサイトに訪れた場合を想定し、お客様が求める情報にすぐたどり着けるかどうか、直感的で分かりやすい構造になっているかどうかなど、常にユーザーファースト(利用者第一)で考えていきましょう。

トップページの構成とデザイン

次にメインとなるトップページの構成とデザインを考えていきます。

ファーストビュー(サイトを訪れた際に最初に目にする画面)にどのような情報を載せるか、その後に続くコンテンツの優先する情報はなにかを考え設定していきます。

基本的なECサイトのトップページ構成は、「ヘッダーエリア」「サイドエリア」「コンテンツエリア」「フッターエリア」の4部構成になります。最近ではスマートフォンでの表示に考慮した構成も増え、その場合「サイドエリア」が除外されるケースもあります。

繰り返しになりますが大事なのは、利用者の利便性を上げる構成にすることです。

商品の取り扱い数が多い場合はファーストビューの上部に必ず検索バーを配置しましょう。これはECサイトは視線誘導の法則F型になりやすいためです。

視線誘導についてはこちらの記事でもご紹介しています。

人の視線は無意識にパターン化していた!?視線誘導をホームページに応用する

また、カテゴリーはイメージさせるアイコンと一緒に配置することでクリック率が上がるなど良い効果もあるので積極的に導入していきましょう。

商品カテゴリーの構成と作成

トップページの構成やデザインが決まったら、商品カテゴリーの構成を決めていきます。

特に商品数が多いとカテゴリー階層も複雑になりがちです。
なるべくシンプルにまとめ、利用者がトップページから目的の商品に3クリック以内でたどり着けるようにしましょう。

また先にカテゴリーを決めておくことで、商品を登録する際の振り分けも行いやすいので時間短縮につながります。

※前後が逆になると商品登録後、再度カテゴリー分けの作業が発生してしまいます。

サイト制作

今までは、企画・設計部分に重点を置いてきましたが、ここからはデザインの作りこみ、コーディング作業を行っていきます。

ECカートシステムの種類によって制作作業の制限がでるのもこの部分。前途のカート選びを誤ると、ここでつまずく原因になるので選定は非常に大事です。

制作会社に頼んでいる場合は、必要な機能が実装されているかどうか、デザインの方向性にずれがないかどうかなど、都度確認を行いながら進めていきましょう。

商品登録・その他設定

サイト全体が出来上がってきたら商品の登録を行い、お客様が利用できる「決済方法」、「配送手段」、「配送料」などを設定し、開店前の準備をしていきます。

商品数によっては商品登録にかなりの時間がかかってきます。納期が決まっている場合は計画的に早めの行動を意識して登録を澄ましていきましょう。

テスト注文・最終チェック

いよいよ最後の工程に入ります。

作り上げたECサイトで実際に決済できるかどうか、商品購入までの一連の流れを実際にテストしてみましょう。

ここでのテストでは、利用者の気持ちになって行うことが大事です。今まで見えなかった部分が見えたりするのもこの部分なので、よりよい購買体験を追求するためにも、サイト担当者の方は必ずテスト注文を行いましょう。

また、サイト全体の動作確認を行い、各ブラウザでしっかりと動くか、レイアウト崩れはないかなど最終チェックを行いオープンに備えていきます。

サイトオープン

最終チェックが完了し、ドメインの設定など終えたらサイトをオープンし完了となります。

サイトオープンしてからが本当の始まりといっても過言ではありません。ここからより多くの人に自社ECサイトを利用してもらえるよう、PDCAをまわしながらサイトの改善を行い、良いサイトに育てていくことが最も大事になります。

※PDCAとは、P(計画・考察)D(更新作業)C(効果測定)A(分析・改善)の四つをまわしていくことで、EC担当者において大切な業務の一つとなります。

まとめ

今回はECサイトの種類と立ち上げまでの主な流れについてご紹介しました。

【ポイント】
・ECサイトには大きく「自社ECサイト」「モール型ECサイト」の2種類の立ち上げ方法がある。
・カートシステムは「ASP型」「オープンソース型」「パッケージ型」の3種類があり、現在の主流は「ASP型」のカートシステム。
・ECサイトはユーザーファースト(利用者第一)で企画設計する。
・サイトオープン後が本当のスタート。PDCAをまわし、改善し、良いサイトに育てることが大事。

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レモンのECサイト制作

最後までお読みいただきありがとうございました。